選挙解体新書

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都民ファと公明の選挙協力で、自民が失う票を推定してみた

 

先月、都民ファーストの会は7月に行われる都議会議員選挙で公明党選挙協力を行うことを発表した。

 

www.sankei.com

 

これにより、公明党が出馬していない選挙区では、公明党支持層の票が都民ファーストの会の候補者に注ぎ込まれることが予想される。公明党支持層の票数は予測しやすい固い票であるため、この選挙協力都民ファーストの会にとって、何にもまして力強い援軍となるだろう。

 

 一方で、前回の選挙で公明党選挙協力していた自民党にとっては、公明党支持層の票を失うことは大きな痛手になる。

 

 では、実際どれくらい票を失うのだろうか。簡易的に推定してみた。

 

 

推定の方法

 分析対象は、公明党候補者が出馬せず都民ファーストの会が出馬する予定の、千代田区・港区・文京区・台東区・渋谷区・武蔵野市三鷹市府中市昭島市西東京市南多摩選挙区。これらの選挙区では、前回の選挙でも公明党の候補者はいなかったため、公明党支持層は選挙協力していた自民党に投票していたはずだ。公明党の支持層の票数は、前回の「区/市議会議員選挙」で公明党の候補者が獲得していた票の総数から推定した。自民党の獲得票数から、公明党の支持者による票を引くことで、潜在的自民党が失う票を推定した。 

 

推定結果:自民党は、30%以上票数を減らす。

 

 分析した11の選挙区では、前回の選挙ではすべての選挙区で自民党候補が一位で当選しており、その総得票数は25万8212票だった。

 

そのうち、公明党支持者による票と推定されるのは、9万5066票だった。

 

つまり単純に考えると自民党は、この9.5万票を失うことになる。

 

割合でいうと、実に36.8%である。

 

 

一部の選挙区では、致命的な影響も?

 

どの選挙区で自民党候補者への影響が大きいかを推定するために、各選挙区の分析も行った。その結果、一部の選挙区では、公明党の支持者による票を失うことで、自民党候補者の当選が危ぶまれるほどの影響が出る可能性があることがわかった。

 

例えば、文京区選挙区では、前回の選挙で公明党の支持者による票が無ければ、次点候補との差が2000票以内に肉薄している。

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 さらに、武蔵野市昭島市西東京市南多摩の4つの選挙区では、公明党の支持者による票を失ったと仮定した自民党候補者は、次点候補に負けるほど票を減らすこともわかった。

 

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 この分析はいくつかの過程に基づいた単純な分析ではあるが、この分析がある程度正しいとすると、6月の都議会議員選挙では、これらの選挙区で自民党候補者は厳しい戦いを迫られることになるだろう。一方、都民ファーストの会にとっては、これらの選挙区はまず獲得しなければならない大事な選挙区と言える。

 

 

しかし状況は流動的 

 

 前回の都議会議員選挙では、自民党が国政に返り咲いたばかりの時期で、都議選の自民党候補者にも追い風が吹いていた。その状況でもこの推定結果である。

 

今回の選挙では、世論調査によると都民ファーストの会への都民の支持は、自民党を大きく上回っている。そのため、上にあげた選挙区では、特に自民党候補者が苦戦する選挙区だろうと予想される。

 

しかし候補者の公認はまだ各党流動的であり、世論調査の結果も今後変化するだろう。

このブログでは、都議会議員選挙に関して、今後さらなる解析をする予定だ。

 

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