選挙解体新書

選挙の役に立つ研究・分析を紹介します。

笑顔の選挙ポスターは投票されやすいのか?

 

 有権者は、政治家の顔で投票している。

 

 世界中の選挙で、男女を問わず、「有能そうに見える」顔の候補者が投票されやすい傾向があるのだ。

 

election.hateblo.jp

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 「有能そうに見える顔」に加え、信頼できる、穏やかにみえる、正直に見えるという特徴を持った顔も、政治家の顔として好まれるようだ。 

 

 ところで、笑顔の人は、より魅力的で親切で親近感のある人に見えることがわかっている。これは、投票されやすい見た目と一致している。

 

 では選挙ポスターの「笑顔」は投票されやすさに影響するのだろうか。

 

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e0/Peter_Watson_campaign_poster_2017.jpg

 File:Peter Watson campaign poster 2017.jpg - Wikimedia Commons

笑顔の選挙ポスターは投票数を押し上げる

 

 オーストラリアと日本の研究チームは、選挙ポスターにおける候補者の笑顔が、どのように得票率に影響を与えるかを調査した。この研究では、各候補者の笑顔度を自動的に計算するソフトウェアを用いて、日本の衆議院議院選挙とオーストラリアの下院議員選挙において、選挙ポスターの笑顔度が得票率に与える影響を調べた。

 

 単純に言うと、笑顔の候補者は票を得やすいか、ということを調べたのである。

 

 解析の結果、得票率に大きな影響を与える候補者の経歴(現職・新人)や年齢、性別の効果を考慮しても、笑顔度が高い候補者は得票率が高いという結果が得られた。例えば、笑顔が100%と判定された候補者は0%と判定された候補者よりも、小選挙区で2.3%高い得票率を得ていたという。

 

 つまり、笑顔は票を得るのである。

 

笑顔の有利さは時と場合によるかもしれない

 

 ただし、別の研究チームによって、候補者の所属政党や有権者や政治思想(左派・リベラルか右派・保守か)によって、好まれる顔が違うことも報告されている。また、社会情勢(平和な時か戦争の時か)によっても、有権者が好む顔も変わる可能性が指摘されている。つまり、支持基盤によっては、またその時の社会情勢によっては、笑ってない顔の方が投票されやすい場合もいるかもしれない。

 

 しかし、平和な時で、支持者が普通の有権者の場合には、この研究で報告されたように、笑顔は票を増やすと言えるだろう。

 

 政治家の皆さん、笑いましょう。

 

 

主要参考文献

Horiuchi et al. Should Candidates Smile to Win Elections? An Application of Automated Face Recognition Technology